サックスの運指とは、音を出すときの指の押さえ方(置き方)のことです。
サックスは一見難しそうに見える楽器ですが、実は簡単なんです。
音を出す場合でも他の管楽器に比べて簡単なんですが、運指も簡単です。
小学校の時に習ったリコーダーとほとんど同じだからです。
また、サックスは、アルトサックスでもテナーサックスでもソプラノサックスでも運指は同じです。
バリトンサックスだけ少し違いますが、初心者の方でいきなりバリトンサックスを吹くことはほとんどないと思うので、省略させていただきます。
サックスの運指で大切な事!タマゴをつかむように指を置くとは?
サックスの運指を説明する前に大切な事をお話しします。
それは、指の置き方です。
サックスは、リコーダーのように自分の指で穴をふさぐのではなく、キーという白い部分を押します。
その白いキーに連動しているタンポでサックス本体の穴をふさぎます。
白いキーの部分は貝殻で作られていて、指貝(ゆびがい)と呼ばれています。
そして、これからが大切なことなんですが、キーを抑える手の形は、タマゴをつかむような形です。
具体的には、指の先端でキーを押さえ、第一関節と第二関節を曲げます。
サックスは指を押したり離したりして音程を変えます。
タマゴをつかむように指を曲げていると、指を離すときに少ない距離で離すことが出来るのです。
距離が長いと押したり離したりの距離が長くなり速い動きが出来なくなるからです。
多い間違いが指を伸ばしている人です。
ただ、指を曲げる(タマゴをつかむような形にする)のは結構大変です。
プロの人でも伸びている人は多いです。
私も意識して曲げるようにしていますが、知らないうちに伸びてしまうことが良くあります。
ピアノの鍵盤を押さえるときも同じように指を曲げます。
また、左手の親指は、↓のようにサムレストと呼ばれる部分に置き、さらにオクターブキーを押したり離したり出来るようにします。
↓の画像は、実際のサックスで撮影した画像です。近すぎてわかりにくいかもしれませんね(分かりにくいですが、離した状態です)。
他の画像も同様にわかりにくいです。
また、違う服を着ている画像がありますが、別の日に撮影したものです。
(全部撮影しなおせばよかったのですが・・・)
↓の画像は、オクターブキーを押したときの状態です。
右手の親指は、↓のようにサムフックと呼ばれる部分(黒い部分)の下に置きます。
↓の画像は、サムフックに右手の親指を置いた状態です。
サムフックに右手の親指を置いた状態でサックス全体のバランスを保ちます。
ただし、右手の親指がが痛くなるようだとNGです。
サックス本体を軽く支える程度に置きます。
(難しいですけどね)
サックスの運指って初心者でも覚えられる?まずは簡単な運指を説明!
まずは、以下の音階で使用する運指を説明します。
画像は、サックスでの音階なので、ピアノの音とは違います。
詳しくは、移調楽器について説明したページをご覧ください。
「ド」の運指
左手は、人差し指、中指、薬指を押さえます。
右手は、人差し指、中指、薬指、小指を押さえます。
小指は下の方を押さえます。
「レ」の運指
左手は、人差し指、中指、薬指を押さえます。
右手は、人差し指、中指、薬指を押さえます。
(「ド」の運指から右手の小指を離した運指が「レ」です)
「ミ」の運指
左手は、人差し指、中指、薬指を押さえます。
右手は、人差し指、中指を押さえます。
(「レ」の運指から右手の薬指を離した運指が「ミ」です)
「ファ」の運指
左手は、人差し指、中指、薬指を押さえます。
右手は、人差し指を押さえます。
(「ミ」の運指から右手の中指を離した運指が「ファ」です)
「ソ」の運指
左手は、人差し指、中指、薬指を押さえます。
右手は、どこも押さえません。
(「ファ」の運指から右手の人差し指を離した運指が「ソ」です)
「ラ」の運指
左手は、人差し指、中指を押さえます。
右手は、どこも押さえません。
(「ソ」の運指から左手の薬指を離した運指が「ラ」です)
「シ」の運指
左手は、人差し指を押さえます。
右手は、どこも押さえません。
(「ラ」の運指から左手の中指を離した運指が「シ」です)
「ド」の運指
左手は、中指を押さえます。
右手は、どこも押さえません。
(「ラ」の運指から左手の人差し指を離した運指が「ド」です)
以上で簡単な運指の説明を終わります。
サックスの運指|オクターブキーを押したときはどんな音が出る?
今まで説明した「ドレミファソラシド」より1オクターブ上の「ドレミファソラシド」を説明します。
と言っても左手の親指でオクターブキーを押すだけです。
簡単ですよね。
以上で、オクターブキーを押したときの「ドレミファソラシド」の説明を終わります。
サックスの運指|低音域と高音域はどう押さえる?(半音階は除く)
まずは用語の説明から。
半音階とは、シャープ(#)やフラット(b)の付いた音程のことです。
半音階の運指は少し難しいので、ここでは、半音階を除いた低音域と高音域の運指を説明します。
低音域の「シ」の運指
左手は、人差し指、中指、薬指、小指を押さえます。↓
小指の位置は、↓です。
右手は、人差し指、中指、薬指、小指を押さえます。
小指は下の方を押さえます。
(左手の小指以外は、1個上の「ド」と同じです)
低音域の運指は、以上です。
高音域の「レ」の運指
左手は、親指でオクターブキーを押さえます。
また、手のひらで↓の部分を押さえます。
高音域の「ミ」の運指
左手は、親指でオクターブキーを押さえます。
また、手のひらで↓の部分を同時に押さえます(赤丸で囲んだ2か所です)。
右手は、人差し指の側面(内側)で↓の部分を押さえます。
高音域の「ファ」の運指
左手は、親指でオクターブキーを押さえます。
また、手のひらで↓の部分を同時に押さえます(赤丸で囲んだ3か所です)。
右手は、人差し指の側面(内側)で↓の部分を押さえます。
高音域の運指の説明は以上です。
サックスの運指(半音階を除く)の説明まとめ
いかがでしょうか?
高音域の「レ」「ミ」「ファ」は難しかったかもしれませんが、その他の運指は思ったよりも簡単だったと思います。
最初は音が上手く出ないかもしれません。
なので、指の位置を確認するだけでもOKです。
さらにこの先、音階(スケール)の練習もしていくことになりますが、音を出さずに指だけの練習でも効果はあります。
指の位置を自分で見ながらでも構いません。
まずは、押さえる位置を確実に覚えることが重要です。